2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧
西岡文彦『ピカソは本当に偉いのか?』(新潮新書)を読んだ。 美術館に入っているものを美だというふうに考えるようになり、美が実用性とは無縁のものになっていったというような(正確な引用ではありません)あたりがとても納得できた。 ピカソは本当に偉…
ふと思いついてしばらくまえから小林秀雄の「考えるヒント」(『小林秀雄全作品 23』では上巻所収)を読んでいる。何がきっかけだったかよく思い出せないが、大岡昇平が小林秀雄入門には「考えるヒント」が最適というようなことをどこかで言っていて、ちょっ…
幸田文の「みそっかす」(『幸田文 ちくま日本文学 5』所収)を読んだ。 最初あんまりおもしろくなかったが、だんだんおもしろくなった。 語っている幸田文にだんだんと愛情がわいてきて、ともに悲しんだり喜んだりできる。 厳しい父親や継母や弟やあまり親…
幸田文『父・こんなこと』(新潮文庫)読了。 「父」については読んだときに感想を書いた。 もうひとつの「こんなこと」は、あまり印象に残らなかった。 文は露伴が三十七歳のときの子供で、そこが私と同じなのだが、しかし私は娘にとってこのような父親であ…
丸谷才一逝去のニュースを聞いて丸谷才一について少し調べた。で、読みたくなった。 ほんの少し前にも『笹まくら』が読みたくなったことがあった。吉村昭を読んでいたときに『遠い日の戦争』を読もうとして、そういえば丸谷才一の『笹まくら』も似たような話…
幸田文の「父―その死―」(『父・こんなこと』所収)を読んだ。 村上春樹の『ノルウェイの森』で、いちばん好き、といってもいいくらいの場面に、緑が父親の看病について語る場面がある。 お見舞いにやってきた人は食事をきちんと摂る彼女に対して「よく食べ…
井伏鱒二『駅前旅館』(新潮文庫)読了。 この小説のおもしろさがよく理解できなかった。 気楽に読めるものかと思っていたのだが、そうでもなく、スジを追うのがやっとといった感じだった。 そんなに難しい話でもないのだが、ところどころわからない単語が挟…
山本周五郎の『寝ぼけ署長』を読むときに、どうでもいい作家のどうでもいい小説を読みたいと思って読み始めたのだが、どうでもいい感じでよかった。 たまにそういうものが読みたくなる。 どうでもいい作家のどうでもいい小説というのは何か。 たぶんそれは古…
トルストイ『復活(下)』(新潮文庫)を読んだ。 だんだんと話がどういう方向に進むのかよくわからなくなり、トルストイには明確にわかっているのかもしれないが、僕にはついていけず、置いてきぼりをくらった。しかしトルストイはやはり素晴らしいのではな…
小林信彦『映画が目にしみる 増補完全版』(文春文庫)を読んだ。 終わりのほうは、ニコール・キッドマンとクリント・イーストウッドの印象しか残っていないくらいこの二人の話しか出てこない。クリント・イーストウッドはまだしも、ニコール・キッドマンっ…
『ポー名作集』(中公文庫)を読んだ。 内田樹の『映画の構造分析』にポーの「盗まれた手紙」について詳細な解説があり興味を持ったのと、山本周五郎の『寝ぼけ署長』を読んで推理小説を読んでみたくなり、だったら、ということでポーの推理小説をまとめて読…
この前山本周五郎の『寝ぼけ署長』を読んだ時に、旅館に泊まる小説を読みたいなと思って、いろいろ調べて島尾敏雄の『冬の宿り』という短編がそれっぽいと知り、たまたま家にあったので読んでみた。 ぼやっと内容は覚えていたのだが、旅館でひとりで寂しい感…